92. "Strangers in the Night"

 

撮影でもしてなければ、いわゆる「悪所」に類する場所を彷徨う私。元々やはり遊女気質なのでしょうか。

出会いを求めるでもなく、ただそこに行って、少しばかり傷んだ果実のような甘い空気の中に佇んで、一日の終わりを迎える。そんな毎日を過ごしています。そう、きっと人生の無駄遣いに類する行為。けれど、そう過ごすしかない時って、たぶんある。

そうした場所をさまよっている時に、私の写真を素敵だと言ってくれた通りすがりの方を抜き撃ち気味に撮ってみました。そういう言葉をもらえる夜は、途中どんなことがあったにせよ、美しく幕を引くことができるというもの。ありがとう、Tricia。あなたの魅力のかけらがひとつでも拾えていればいいのだけれど。

そして、またある夜の、気の置けない友人との時間。
彼女は華やかに踊るひとなのですが、その夜はぶらりと夜の散歩に興じていた様子。どちらも何を求めるでもなく、夜を徘徊し、そしてその場に溶けることも飲まれることもなく、ただそこにいる、ストレンジャー同士のひとときの接触。

世間話のような、ほら話のような、あるいはため息まじりな言葉が漏れてこぼれるのかもしれない。

たぶん彼女も私も同じ夜のストレンジャー。

この夜は私が先におやすみを言って、自分の1st. Lifeに帰ったのですが、彼女はどんな夜明けを過ごしたのでしょうね。

それにしても、この種の場所に湧く日本人の男どもというのは、どうして、その場にいる女性が、親疎も何も関係なく、なんでも自分の言うことに従うと思っているのでしょうね。自分の容姿を見てから、他人の容姿に注文をつけるといいと思うの。

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