10. "Search and Shoot"

model : Belle C.
人物撮影という行為は、隠れている何かを引っ張り出してくるような好奇心の昂ぶりを伴うものです。ましてやアバターという、もともと生命を宿しているのとも宿していないともいえるファジーな存在を触媒として用いる場合は。

mesh headの横行(あえてこう書きます)の結果、パーソナリティを目に見えるレベルでは失ったアバターが増えてしまったので、そこに風穴を開けられないものか、と思ってスタジオに立てこもっています。付き合ってくれるモデルさんも割といたりするものですから、モデルさんにポラを見せながら反応を手探りで、という以前から変わらない手法を繰り返しつつ。

このショットはスタジオで買ったばかりのmesh headをいじっていた友人と撮ったもので、たまたまポーズを切り替える時にラグが発生して本来ならそうならない動きでポーズが切り替わった瞬間を捉えたもの。こうした偶然も最大限悪用するのが楽しいものです。ちょっと個性的な表情を抜いてこれました。

model : Mitsumi
もう恐らく相まみえることのなかったはずの誰かと。
彼女自身もアバターを題材に特異なアートを提示し続けているひとなのですが、かつて捉えきれなかったパッションをどうにか引きずり出して来られたら、なんてことを考えながら。
会うことのなかった時間にお互いに起きたさまざまなアフェアを問わず語りにすり合わせつつ。
こういう時にモノクロームでの撮影は、意外に効果があるもので、色を失うことと引き換えに浮かび上がる何か、というものがあることを改めて教えられることがあります。

それもまたポートレイトというものの一つの楽しみ方。人を題材にすることの楽しさというものでしょうか。

model : Aya
とても大事な妹分を撮ったわけですが、どうしても目線が冷静な写真家のそれではなくなっているのは仕方のないことかもしれません。
彼女もけっこう多彩な動きを諸々の場所でしている女子なので、そうした側面もどこかで反映させて撮りたいのですが、どうにもこういう撮り方をしてしまう。私にも困ったものですね。
このときは、新しく買った服の写真を撮りに、うちのスタジオのポーズスタンドを使っていたら、外出先から戻った私に捕まってモデルをやらされた感じ。そういうこともままあるわけです。



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